素足にパンプス

だから喪女なんだよって言わないで

残酷なランチ

例の海外赴任するため別れた元カレと最後の食事をしてきた。

もともとは、仕事終わりに晩御飯に行こうと誘われたので
その日はどんな服を着ていこうか迷ったのだけれど
結局、用事があるとかで週末の昼間にランチすることになった。
ちょっと寂しかった。

ランチって会ってる時間が短いから。


彼と別れてすぐ違う人と付き合い始めた。
彼とは正反対な人だ。
性格も、仕事も、体形も。

彼はそれを知らない。たぶん。


別れてから久々に会う彼は変わってなかった。
まぁ会うのは数か月振りだし、まだ出発していないのだから当たり前なんだけど。
なんとなく、それが寂しかった。

とりあえず駅の近くの適当なイタリアンでごはんを食べた。
彼は、新しい生活がちょっと不安だと話していた。
羨ましい悩みだ。

そして、私の会社の夏休みの間に来てよ、なんて言っていた。


行くわけないじゃない、
と心の中で思った。


新しい彼氏ができたとか、彼が嫌いになったわけじゃない。
でも、なんとなく行くのめんどくさいなと思ってしまった。



「うん、行くよ。9月くらいになりそうなんだけど大丈夫?」



12時間かけて彼に会いに行くつもりなんてないのに言ってしまった。
私ってとても酷い女だな、と思った。

彼に会いにいって、彼のアパートに泊まって
何があるのだろうか。

親しい友人に会いに地方や海外に行くことはあるけれども
彼には特段そういう気持ちになれなかった。

あわよくば、、、、なんて思っていたけれども
何があわよくばなんだろうか。
私は彼に対してこんなにも興味を失ってしまってしまった。


そもそも、私は彼が羨ましかった。
海外で働く、しかも欧米で働く。海外に住む。
それは何年も前に私が諦めていたことだ。
だから、とても羨ましくて、嫉妬した。

彼が海外に行くと知ったとき、
悲しいとか寂しいとかそういう感情は確かにあった。
でも、羨ましいとかずるい、とかいう気持ちも同時に芽生えてきて
だんだん寂しさを忘れて、嫉妬していた。
彼の人生に。
彼は新しい生活が不安なんだろうけど、きっと明るい人生を送れるはずだ。

そんな彼にすがりついていきたいほど私は女々しくないし、
そんな気力なんてなかった。
なんでいつもこんなにも無気力なんだろか、知らんけど。
こういう恨み言みたいなことを書く気力はあるのに。


そして彼は出発した。
彼は海外の支社に行くと言っていたのだけれど
Facebookで大学に留学すると書いていた。
全然違うじゃん。それくらい言えよと思った。


彼はずっと嘘をついていた。私も嘘をついていた。
あの日のランチで私たちが話していたことはなんだったんだろう。
とても残酷なランチだった。無残だ。
あの店には二度と行くこともないだろう。大して美味しくもなかったし。


彼は私の友人だ。
それ以上でもそれ以下でもない。